患者さんとのコミュニケーションは言葉だけではない
スタッフを見る、手元をいじる、独り言が大声になる…。意思を伝えられない患者さんのちょっとした変化を察して、どうしたんですかと聞いてあげています。人間力が高まる仕事です。
栄養士と介護、両方の仕事がしたくてきのこグループへ
管理栄養士の資格を持っているのですが、介護の仕事にも興味があったんです。きのこグループでは、介護職を経験した後、栄養士としても活躍できるといわれて、「あ、ここだ」と思いました。
私が働いているのは特別養護老人ホームで、自立した生活を送れない認知症の方もいます。そういった方々のために、食事を口に入りやすいサイズに切ったり、飲み込みやすいようにとろみをつけたりして、思い思いに食事を楽しんでいただけるよう工夫しています。
食べてくれる人の顔がわかるから、おいしい食事を作ってあげたい
大学生の時に、大量調理施設で管理栄養士の実習をさせてもらいました。そこでは食事の時間が決まっていて、あの患者さんはアレルギーがあるのでこの食材は使わないようにと紙で指示されていました。作っている側は、利用者の顔を知りませんでした。きのこグループでは、パーソンセンタードケアと呼ばれる「利用者さんに合わせたケア」をしているので、私たちが作っている姿を利用者さんに見ていただけます。普通の家庭みたいにお部屋で匂いを感じられて、食べている人の表情もわかります。「あの方は、これをよく食べてくれたから同じような味にしよう」「今日のあの方は体調が悪いから、おかゆにしてみよう」などと、臨機応変に対応できます。生活に関することはすべて、一人ひとりに合わせるのがわたしたちの介助の特徴です。
仕事中も休みの時も利用者さんのことを考えています
今は10人の方のケアをしており、それぞれ深くコミュニケーションをとることができます。家族のような雰囲気で、情が湧いてきます。仕事とか休みとか関係なく、いつも誰かのことを大丈夫かなと考えてしまいます。先日は「おいしいせんべいが食べたい」という方がいたので、休みの日に銀座に買いにいきました。介護をしながら、命の大切さを感じています。毎日、できることはなるべくしてあげたいという気持ちで利用者さんに接しています。
磯部里菜さんの
1日のスケジュール
- 6:30
- 仕事スタート
- 7:00
- モーニングケア、食事を出す、食事介助
- 9:00
- 排泄介助などのケア
- 10:00~
- 入浴介助
- 12:00
- 休憩
- 13:00
- リクレーション、記録、随時介助
- 14:00
- おやつ介助
- 15:00
- 終了
日曜と月曜のお昼ごはんは自由に作っていいので、オムライスにしたりスパゲッティにしたり利用者さんのことを考えながら献立を考えるのが楽しいです。
Rewarding きのこグループで働くやりがい
介護にマニュアルはありません。自由が好きな人は向いていると思います。
とにかく自由度が高いので、あれもこれもやりたいという人は向いていると思います。やるべき業務はもちろんやりますが、ときどきお菓子を作ったり、食べたいと思ったごはんを作ってみたりと、本当に自由にやっています。
利用者さんは、いい状態のときもあれば、弱ってしまうこともあります。ある方に、半年前にやってよかったことが、今日も同じであるとは限りません。よりよい介護をするということは、ひとりひとりに合わせて常に変わっていくこと。マニュアルどおりではなく、その都度、患者さんの状況に合わせてサポートしていく…そんなときこそ自由であることが大切になるのだと思います。